2002-09-01から1ヶ月間の記事一覧

隠さざる意思(その1)

事実を隠さないこと、ねじ曲げないことはジャーナリストにとって最低限のことで、背景にどんな利害関係があろうとも犯してはならない一線のはずなのに、守り通せる人はあまりにも少ない。私が袂を分かったアジアプレスもそれを貫けなかったし、ハワジの件で…

隠さざる意思(その2)

私を同行させたことは、ハムザートの判断ミスだったのではないか、とも私は考えた。そうでないと知ったのは、つい一昨日のことだ。グルジア・パンキシ渓谷からカフカスを越えてチェチェンへ向かう作戦に、英国フロントラインのジャーナリストR・J・スコッ…

秋雨

イングーシの戦闘で、友人たちのうち誰が死んで、誰が元気なのか、確認しようとバタバタしているけれど、結局分からない。昼に雨の中、モスクへ。お世話になっている友人は、奥様がガンと告知された。いつもエネルギッシュな彼は、いつもにもましてエネルギ…

いるはずだった場所(その1)

夕方から、なすすべもなく、祈り続けている。イングーシ共和国でチェチェン勢力とロシア軍が激しく交戦し、夥しい死者が出たもようだ。http://www.asahi.com/international/update/0926/007.htmlhttp://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20020927k0000…

いるはずだった場所(その2)

でも今は、カフカスのジハードについての原稿を書いているところ アルハムドゥリッラ、すでに何本も書いたんだよ。 ハワジはシャヒードになんかなっていないよ。 彼は山の中で両足にケガをしてトビリシへ戻ったよ。 今は獄中にいるよ。 インシャーアッラー、…

まいっちんぐな写真展

荒川区町屋の「ムーブ町屋」というところで「パレスチナ写真展」が開かれ、私はそこにパレスチナとアフガニスタンの写真を提供した。日本ムスリム協会の樋口さんからのお話だったので協力したのだけれど、主催者側は著作権問題などに極端に鈍感で、頼まれて…

「ダモイ」(その1)

去年の12月、グルジア政府に隠匿され、拘束下におかれていた私が帰国を認められたとき、パンキシ渓谷で私を匿ってくれていた在グルジア・シャミル・バサエフ代理人のシャムスディンは、正確な事情を知らされていなかったらしい。「お前はグルジア軍の検問所…

「ダモイ」(その2)

死んでいった人たちは、どれほど家に帰りたかっただろう。誰にも知られず殺されてゆくことをどれほど悔しく思っただろう。去年、アブハジアで私もそう思った。一緒にいたチェチェン人たちも、多分同じだった。「ダモイ」「ダモイハチュー」(帰りたい)とぼ…

辺見さん

辺見さんが講演されたらしい。http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200209102047562記事を読んで、違和感を覚えた。「この国の途方もない無関心こそ非人間的」と語ったという。では、自分はどうなのさ?ニュースの中心になるまで、アフガニスタンに関心…

復興というまやかし

今年の6月にはアフガニスタンへ向かうはずだった。タリバンの残党に入れてもらって、米兵を殺すところを見せてもらうはずだったのだ。敵・味方を問わず、戦争から死を隠してはならないと、私は信じている。それは戦争を終わらせる可能性を奪ってしまう。米…

暗躍するエージェントたち

今出ている週刊ポスト(小学館)にオウムの麻原尊師の法定内隠し撮り写真が掲載されている。これは東長崎機関の本名を明かせないエージェントが撮ったものだ。東京地裁は大慌てして、週刊ポストを呼びつけたりしているらしい。我がエージェントもこれで追わ…

イラクのフラグメンツ

93年にイラク北部に密入国した際、クルド人組織のPUK(クルド愛国同盟)のメンバーに、「サダムを打倒するためには、南部シーア派組織との連携が不可欠だ」と意見したところ、「シーアと組むくらいならサダムと組む」という返事だった。その後イラク北部では…

世界の中心で

村上龍の「希望の国のエクソダス」を読みました。以前から読んでみたいと思っていた作品です。冒頭で、16歳の日本人の少年がパキスタン北西辺境州のパシュトゥン人部族支配地域で現地に溶け込みながら、地雷除去作業に携わっているくだりがあり、知り合いか…

ダラリズム

ゆうべ朝まで喋っていたから、日中眠かったし、天気は良くないし、やることもないので、仕事も調べものも勉強も読書もデートもせずに、一日引き籠もっていました。ずいぶん前から、モスクワ時間かグルジア時間で生活しています。イラクで戦争が始まるのなら…

東長崎焼き肉集会

日本ムスリム協会でパレスチナなどの写真展を開くそうなので、写真をお貸ししました。夜、およそ一ヶ月ぶりに東長崎焼き肉集会「焼きボラ」が開かれ、「広河隆一事務所潜入中のギャルエージェント」「ロシア国家の秘密に迫る美女」らが参加してくださいまし…

次の手

ハワジは私の友だちだから、ハワジパパのいうことなら聞くだろう、という目論見で、グルジア当局はハワジパパを通して、サイトの削除要求を出してきましたが、私は拒否しました。そうすると今日(5日)、今度はグルジア当局の意を受けた某民間団体が、ハワ…

復活(その1)

東長崎機関総裁の加藤健二郎氏と話をするタイミングを逸していたら、「自称ジャーナリスト勢力」の方が先に削除要求を出したようで、こんなんなっていました。(↓)http://2.hotspace.jp/~higashi-nagasaki/g_y/G40-02.htmlこの中の加藤さんの説明は一部事実…

復活(その2)

ここに写っているイスラム戦士たちは、ハワジを除いて、実は全員が昨秋のアブハジア侵攻作戦に参加し、本人の意思でなく、アブハジア人の殺戮と略奪を強いられた若者たちです。特に一枚目のマスウドにいたっては、戦場で消息を断っています。世界中からアク…

獄中から発言するということ

98年にアフガニスタンのマスード派を取材したとき、彼らは捕虜収容所のパキスタン人タリバン兵士を私に見せ、インタヴューするよう勧めた。捕虜たちは、「無理矢理連れてこられた」「戦わされるとは聞いていなかった」「騙された」などと発言した。私は記…

私は冗談が嫌いだ

東長崎機関サイト内のコンテンツ「それゆけテロリスト!」(↓)http://2.hotspace.jp/~higashi-nagasaki/g_y/G40-02.htmlに関して、「ふざけている」というご指摘がいくつか(多方面から複数)ありました。厳密に申しますと、ふざけていません。ふざけたかの…

たくましすぎる泥棒さん

ロシアの戦闘ヘリを撃墜した熱線追尾式携帯地対空ミサイルについて、ロシア軍当局は、「チェチェンのロシア軍武器庫から盗まれたもの」と発表したらしい。私はパンキシとアブハジアで、12門のイグラーミサイルを見掛けたが、一門13キロもあるミサイルが…

削除依頼

事実を隠したり、ねじ曲げようとしたりする勢力に対して、私が対立してゆくのは仕方がないと考えています。いずれはあらゆる方法で、そういう動きが出てくると思っていましたが、http://2.hotspace.jp/~higashi-nagasaki/g_y/G40-02.html(↑)このURLに公…

ゲリラの一員?

カフカスキ・ヴェストニクというロシアの新聞が、チェチェンに「日本人義勇兵軍団」が存在する、という内容の記事を書いています。(↓)http://kvestnik.org/cgi-bin/newssite4/news_look_inside.cgi?newstime=2002/08/29/02_55_54&newslang=l2この中で、ハ…

ハワジ報道

ハワジパパが息子への面会のため現地入りしたことで、ハワジの問題が単純な父子・家族の問題や、ハワジという青年の個人的な資質の問題に矮小化されることは、本末転倒だと思います。ハワジは銃を取った。それを肯定できない立場の人は多いでしょう。では、…

チェチェンから出るニュース

毎日新聞によると、またチェチェンでロシア軍のヘリが撃墜されたらしい。昨秋、アブハジアでゲラエフ部隊は、私の見ている前で今回のと同型のロシア軍クロコディール攻撃ヘリ一機を撃墜したが、あれは外部に報道されたのだろうか?(ちなみに、私の見ている…