2003-05-14から1日間の記事一覧

アルビル(その1)

昨日の夕食は、キルクーク一のレストラン「アブドゥッラー」で取った。「ゴーシュトオベレンチ(肉と米)」といわれるクルド料理で、ピラフの上にじっくり煮込んだ羊の肉がのっている。米には豆や野菜のシチューを掛けて食べる。一人8000ディナール(490円〜…

アルビル(その2)

スーク(市場)の中に、クルドの伝統料理「パチャ」の店を見つけて昼食に入った。羊の頭と米を詰めた臓物を何時間も煮込んだ料理だ。トルコのパチャはスープの中に臓物や頭の肉が入っているが、ここではスープと肉は別の皿に盛られて出てくる。10年前と変わ…

キルクーク

キルクークはクルドの二つの街、スレイマニヤとアルビルの中間に位置する大都市だが、通貨はバグダッドと同じサダム札が使われている。バグダッドよりもここではディナールの対ドルレートが高く、1USD=1500ディナールで取引されているそうだ。しかし、物価…

キルクーク(その2)

「盾」志願者の多くは、キルクークへ連行されることの意味がよく分かっていなかった節があるが、私はとりあえずそう判断した。しかし、それとは別に私はジャーナリストとしても個人としても是非キルクークを見てみたい。 10年前にクルディスタンのアルビル(…

キルクーク(その3)

イラク当局は日本人を全員、北部変電所に集めようと計画していたが、ダンサー村岸さんがこれを拒否して早々に北部浄水場に張り付いていたし、安田純平くんらはドウラ発電所に泊まりに行ってしまった。私と久保田弘信氏は市内に潜伏してしまったしで、イラク…

キルクーク(その4)

マスード氏に限らず、キルクークにはアンファル・オペレーションの傷跡が至る所に残っていた。市の郊外には住宅地の真ん中に、突然なんにもない広大な草っぱらが広がっていた。そこにはかつて300世帯以上のクルド人市民が住んでいたが、ある日オペレーション…

キルクーク(その5)

そのようなサダム政権だけに、ジャーナリストは決してプロパガンダに利用されてはならないはずだった。プロパガンダに利用されることを避けるために全力を傾けなければ、私たちはサダムが犯し続けてきた人類に対する犯罪の一端を担わされてしまう。それは今…