ごめんね安田くん

16日夜、東長崎機関エージェント同士の熾烈な駆け引きが
中野区の早稲田通り沿いの某有名チェーン店で人知れず、
続いていた。
対決する一方は超一流出版社・光文社のエリート編集者・
山崎喜宏氏、もう一方は私だ。

立場の優劣は歴然としていた。
山崎編集者は私を拉致・誘拐すると、
某チェーン店のカウンターに並んで座らせ、
続けさまに自白剤を投与した。

「仲間を売るわけにはいかない。喋ってなるものか」
私は自分に言い聞かせたが、その意識も朦朧となってゆく。
自白剤は白や赤、緑色の小皿に2カンずつ
盛られているのだった。
見るからに新鮮そうな自白剤は
今にも泳ぎ出しそうな光沢を放っていた。
そして抵抗のすべもなく、大量の自白剤を投与された私は、
遂に肉体的限界で危険なレベルに達していた。
「ご…ごちそうさまでした」
陥落だった。
そして、すべてを自白してしまったのだ。

それが、今日発売の光文社FLASHの記事だ。
ごめん安田くん!
裏切ったのは私じゃない。
私の胃が悪いんだ。

もっとも、今週号のFLASHも、私が関わった最初の2ページ半(Part1)
以外は、記事内容全部嘘なので、お金を出して買わない方がいいと思う。
特に、一人当たり一億円だか数百万ドルだかの身代金が支払われていた
という(Part3)の記事はデタラメそのものだ。
外務省は今回、身代金を払って済ませたくても
払う手立てすら見つけられなかったのだ。
誘拐グループとの間に、なんのルートも見つけ出すことができないまま、
純粋にイラク側で独自に事件を解決してしまった。

ところで、あまりにお粗末な新聞記事やテレビ・雑誌のコメントが
八百屋の野菜みたいに並ぶものだから、相対的に私のこの
バカバカしい日記が最も優れた論説と化してしまった。
わずか数日の間に、ちみたちは愚民化を急速に進めたね。
久し振りに逢った知り合いが、見るからにアホウの顔つきになって、
「ほんっと、メーワクだよね」などという。
「おや、どんなメーワクを掛けられたの?」と尋ねると、
「だって・・・」からあとが続かず、顔だけさらにアホウ面になった。
まあ、おやおや、どうでもいいけどね。
私はアホウの方が好きだし。

踊るアホウに見るアホウ、同じアホウなら踊らにゃ損って、
いい得て妙かな。