ダメぽの全員(その2)

はたして、RYは救急隊員に運ばれてゆき、ぼくは車椅子を引きずるように
動かして、Mさんをタクシーに乗せた。
RYなら慣れたものだろうが、ぼくには車椅子のブレーキを解除するレバーが
どこにあるやら、見当もつかない。

呼び止めたタクシーの運転手さんはとても親切だった。
Mさんを後部座席に乗せるために抱え上げるのを手伝ってくれ、聞き取り
にくいMさんの説明を時間をかけて聞いて、家を探してくれた。
Mさんの自宅では、近所の大学生のIくんが連絡を受けて待っていてくれて、
Mさんを家に運んでくれた。

バイクを新宿駅前に停めたままにしてきたので、ぼくは乗ってきた
タクシーに乗って元来た道を戻った。
帰り道、RYが少し元気になった声で電話してきた。
痛み止めを注射してもらったら大丈夫になってきた、という。
一泊ぐらい入院してくるのかと思ったら、もっと重態で意識不明の急患が
いて、救急病院内がごった返していて、あんまり相手をしてもらえなかった
らしく、もうタクシーで帰る途中だった。

そういえば、今日日中にはぼくの方が目が痛いので救急車を呼ぼうかと
考えていたのだったが、今は痛みはどこかへ消し飛んでいた。

2日前には我が家のSMちゃんが夜中に腹痛で救急車で運ばれたし、
そのまた数日前には新入居予定のYMさんが急性盲腸炎で入院した。
周りに健康体がいないなあ。
明日、薬局に目薬買いに行こう。