ガス切れ

コンロのガスボンベが空になってしまった。先週からガス屋さんを訪ねているが、入荷がない。まだわずかにガスが出ているから、今夜までは食事ができたけれど、明日は分からない。
まったく、世界有数の産油国で、ガソリンが高くて、ガスがなくて、電気もないのは紛れもなく地球上でここだけ。

アバカリキの気温が上がると共に、蚊が増えてきた。ぼくの両足は刺し痕だらけになってしまって、痒くて仕方がない。北部の現場にいるナイジェリア人スタッフはすでに2人もマラリアにかかって倒れ、ひとりは入院して点滴を受けるほど症状が重かった。この国では、ジャングルの中だろうが、都市だろうが、マラリアのリスクは等しく高いと、ものの本に書いてあった。病気になるのはいやだなあ。

ナイジェリア人に比べて、ぼくは蚊に好まれるらしく、よく血を吸われる。一緒にいても刺し痕だらけになるのはぼくなのだ。きっと彼らはこの地域で何万年もかけてマラリア蚊に刺されにくく進化を遂げたに違いない。
ラゴスから弁護士のFがアバカリキに来たとき、ここを「村」と呼んで、レストランのウェイトレスを「田舎もの」とからかっていた。真のシティボーイたるこの私にいわしればだな、ナイジェリアなんて都会だの田舎だのいう以前に全員ギャートルズではないか。おまいらケンカすんな。