悪党

ここだけの話だが、加藤健二郎さんは
本当に悪いヤツである。
先日、部屋でダラリズムを満喫していたところ、
加藤さんが我が家の扉を叩いた。
「花見に連れて行ってやる」という。
「ただし、悪いヤツらの花見だ」
満開の桜の下には東長崎の住人たちが集まっていた。
加藤さんによると、前科者がいっぱい混じっているから
これは悪いヤツらなのであった。
食べ物はいっぱいあるそうだったので、
私たちはジュースと烏龍茶を一本ずつ差し入れて、
その場にあった肉を焼いて食べた。
レバー、ナンコツ、ホルモンも食べた。
二人で二キロほど平らげて、
一時間半経ったら一銭も払わず引き揚げてきた。
帰り際、加藤さんは言った。
「悪いヤツらに対して悪いことをするのは、正義の行いだ」
このように加藤さんは本当に悪いヤツなのだ。
お腹いっぱいになった。
こんなに肉を食べたのはカルネステーションのナイトサービス閉鎖以来だ。
ご馳走さまでした。