オイボ

町を往くと、通り過ぎざまに「オイボ!」と、声がかかる。ハウサ語でもヨルバ語でもなく、「外国人」という意味のナイジェリアン・ピジン・イングリッシュなのだそうだ。
「オイボ」の本来の意味は「白」だ。ぼくは白くない。黄色いアジア人だが、白人に対する強烈なコンプレックスを持つナイジェリア人にとって、外国人はみな、「白」なのだそうだ。
オイボの中でも、英米に対しては、複雑な思いがあるようだ。黒人奴隷の積み出し港として栄えた歴史。英国の植民地とされて、徹底的に搾取された歴史。そして、今、石油資源を搾り取られ、何一つ還元してもらえず、惨めな生活を余儀なくされている現状。
そういう中で、日本は関わりが薄すぎることもあって、オイボの中でも悪い印象を持たれていないオイボということになる。
昔、90年代に海外のどこへいっても、日本人だというだけで歓迎して貰えた頃からすると、訪ねる先々で日本への批判や抗議を聞かねばならない今の世界はとかく歩きにくい。日本人がどちらかというと好印象というナイジェリアは貴重なのかも?
いろいろ聞くと、やはりナイジェリアでは、日本人の男はギャルにモテモテのウハウハらしい。
そして、ナイジェリアという国は、南米同様、売春という商売が成立しないほど、性が簡単な文化らしい。
ところが、当然ながらぼくは敬虔かつ厳格な超原理主義過激派のイスラム教徒なので、そのようなギャルには目もくれず、ただ一心に神を念じる日々なのである。