独立47周年

ナイジェリアに事務所を置いている日本企業は16社。うち、日本人駐在員を置いているのは14社。ぼくのバイト先は15社目ということになる。ほとんどの会社は首都アブジャではなく、最大都市のラゴスに事務所を置いている。
貧しい国は多く訪れたが、その都度ぼくが知ったのは、自分の祖国・日本の不幸だった。貧しいからといって、その国民が不幸せとは限らないのだ。多くの地域では、貧しくてもなんとかやってゆける社会のシステムや、民衆の生活の工夫があった。多くはその分物価が安かったり、少なくとも、貧民でも選択できるなんらかの選択枝が用意されていた。高級レストランがある一方で、日雇い労働者が一日の疲れとうさを晴らすための安いパブやカフェが、時として富裕層は決して立ち入らないような、彼らの生活圏にあるのだ。
ナイジェリアには、そういったものがほとんどない気がする。
もしぼくがこの国の貧民として生まれていたら、世界を憎んだだろう。
国民の4割は敬虔なキリスト教徒で、5割はイスラム教徒。一割が伝統宗教の信者なのだそうだが、信仰が多くの国民に対して希望を繋ぎ留めているのが、日曜毎に聞こえてくる盛大な礼拝の音楽からかいまみえるようだ。