祝日(その1)

 4人もムラートも、今日はグロズヌィに行く。私は近くのホテル・ウユトに案内してもらった。ウユトはアフトセルヴィス二階のモテルよりずっと豪華だが、一泊あたり100ルーブリ安い。モテルはかみさんが50ルーブリ借りに来たから結局、ウユトよりも150ルーブリ高いことになる。
 カフェはどれも閉まっていたが、開いているマガジンがあった。クールィ・グリーリ(ロースト・チキン)が買えた。しかし、一羽180ルーブリと高い。祭日プライスなのだろう。部屋に戻って一人で食べた。マガジンの一つはやはりチェチェン人の母娘が経営していた。私が日本人だというと、母親から、「娘をもらってよ」と言われた。説明では、父親はオセット人だそうだ。異民族間・異宗教間結婚はカフカスでは珍しくない。
 夜、むやみに銃声が聞こえる。こちらでは、お祭りの祝砲のつもりで、そこら中でカラシニコフだの対空機関砲だのぶっ放してるので、戦争だか平和だかさっぱり分からない。
 夜中遅くまで掛けて、書かねばならないメールを書く。書かねばならなかったのに、今までどうしても書けないままになっていたものだ。今書いても、いつ送信できるか分からない。そういうときに、今まで書けなかったメールが書けるのは不思議だ。(その2へ)