無反省文(その1)

 お陰さまで、12月7日に無事に帰国いたしました。11月19日から16日間にわたって、北カフカスのイングーシ共和国で連邦保安局(FSB=旧KGB、ロシア秘密警察)の主導するロシア当局に拘束され、違法取材などの罪で裁判にかけられた上、1000ルーブリ(≒3500円)の罰金刑と国外退去の判決を受けました。
 今回のロシアでの私の拘束事件に関して、解放のために休日返上で尽力してくださった秦領事部長、雨宮参事官他、日本国外務省・在モスクワ日本大使館のスタッフのみなさまに心からお礼申し上げます。今回、日本外務省と在モスクワ・ロシア大使館は日本国民である私の安全と日本の主権保障の為に、献身的な努力を続けてくださいました。
 日本側から早期解放のための働きかけを続けてくださった毎日新聞・杉尾直哉記者、東京シネマ新社・岡田一男さん、FLASH誌山崎喜宏編集者、野田敬生さん、加藤健二郎大総裁閣下、長崎放送佐藤敦子さん、長崎市の楠田さん、松田さん、アムネスティ・インターナショナル・ジャパンの寺本さん、ジャーナリストの林克明さん、山口花能さん、私の両親、インターネット上で私の拘束について情報を伝えてくださったネチズンの皆さま、ほか大勢の市民同胞に感謝いたします。ありがとうございました。
 そして同時に、私の身を案じてくださった皆さまにお詫び申し上げます。ご心配おかけして、申し訳ありませんでした。
 一方、日露間の領事条約を無視して私の身体を16日間も拘束し、ロシアの国内法を逸脱した違法捜査によって裁判にかけ、罰金と称する金銭を取り、私の私有財産を盗みあるいは破損し、国外退去とした処分を事実上主導したロシア連邦保安局(FSB)当局に対しては、私は無反省を表明いたします。あなた方犯罪集団に対して私は今後も実態暴露活動を続け、追及の手を緩めません。ただし、今回の拘束は私の方から挑発した結果であり、私は十分というべき利益を得ました。無反省を表明するものの、この件に関してあなた方を非難する意思はなく、あなた方の組織や、活動実態について、有益な情報を提供してくれたことにむしろ心から感謝いたします。今後もひとつよろしく。(その2へ)