異変のそら(その3)

つまり、隠された真のテーマは人権ではなく、政治だ。
なんのことはない。
パレスチナイラクは、政治の世界での反米と親米の格闘ショーの
リングなのだ。
本当に人権を守るために活動している人たちというのは、
イラクパレスチナにもいるはいるが、大騒ぎをしてはいない。
コンゴリベリア、シェラレオネ、スーダンチェチェン
活動する人たちは大声を出さない。
いや、本当は声を挙げているのだが、その声はヒステリックな
イラク方面からの声に消されて私たちの耳には届きにくい。
人権、つまり、少しでも人間らしくあろうとするなら、
こうした小さな声にこそ耳を傾けるべきだ。
それには知性も必要だ。

※※はおよそ1時間でチャットを切り上げて翌日の予習に戻った。

老いず病まず、悪に誘惑されることもないなら、世界は完成されて、
ぼくらは幸せになれるのか。

聖なるぼくたちの書によると、昔々、天使たちはかみさまに言った。
「なぜ地上で血を流すものを作るのですか。私たちがあなたの栄光を
讃えているというのに」と。
かみさまは「あなた方には分からないよ」としか、答えなかった。
そして、にんげんをつくった。
天使たちの世界は幸せなのかな?
天使たちは幸せも、不幸せも、感じないという。
にんげんはたぶん、そのうちに天使のようなものを作るようになる。
老いず病まず、悪に誘惑されることもない、機械人間。

ぼくが崖から滑落したとき、傷一つなかったのを喜んで、
ハムザートは言った。
「よくドゥアーしなさい。かみさまがおまえに天使たちを遣わして、
救ってくださったのだよ」
かみさまはたぶん、ハムザートのところにも何度か、
天使の軍勢を遣わして、ロシア兵たちからハムザートを護ってあげたのだ。
でも、最後にかみさまは天使たちを、ハムザートを連れ去るのに遣わした。
天使たちは哀れなものたちを慈しんだり、涙を流したりするのだろうか?
もしするのなら、天使たちの仕事はあまりに辛すぎ、むごすぎて、
人間には勤まらないだろう。

ぼくらはたぶん、彼に天使になることができたとしても、
それで幸せにはなれないだろうなあ。

扇風機って高いのかな?
冷風機というものは頂きものがあるのだが、なんだかマシンのうしろが
熱くなって、これはひょっとすると部屋全体の温度としては
上がっているのではないかという気がした。