逢えない

※※とメッセンジャーが繋がった。
心の中のなにかの塊のようなものがみるみる溶けてゆく。

私がイラクで無意味にぐずぐずしている間に、
ハムザートは死んでしまった。
彼の生きざまを私は見届けることができなかった。
ビスラン・バムーツキも、アスランベックも死んでしまった。
マスウドは生き残ったが、たぶん二度と逢えまい。
ウクライナでビジネスをしていたはずのウマルが死んだことを
私は今頃になって知った。
生きているのに、いなくなってしまう人たちもいる。
※※も※※もそうだったし、※※もそうだった。
※※も※※もそんなもんだ。
みんな、私を置き去りにして、いなくなってゆくと感じる。
まるで、初めからそんな人間はいなかったみたいだ。

アブドルサラームは生きているだろうか?
老兵シャムスディンは生きているだろうか?
アイサは?
シャムハンは?
アブドゥッラーは?
アリハンは?
タリクは?
逢いたいが、逢えまい。

アハマド・シャー・マスード司令官
ダウド・ハーン司令官(現タハール州知事
アスランマスハドフ大統領
シャミル・バサエフ
ハムザート・ゲラエフ
アフメド・ザカエフ
ザラ・イマエワ
アレクサンドル・リトビネンコ
寺澤潤世上人
ハサン中田考教授
ハワジ南洋志

私は面白い人たちに逢ってきた。

私は自分のことを、ジャーナリストである以前に宗教者だと思っている。
よいムスリムでいられれば、無理してジャーナリストでいる必要はないとも
思っている。

※※さんからのメールによると、6月28日にコイデネット経由で
送信したメールが、7月8日の今日になって配信されたらしい。
10日後だ。
コイデネットは復旧したのかも知れない。
恐らく、ダウンしていた10日分のメールが私のアカウントに
殺到していることだろう。

一ヶ月ほど前に、チェチェン政府在グルジア総代表の
ヒズィル・アルダモフが車の中に毒ガスを送り込まれて
瀕死の重傷を負ったという情報は初耳だった。

シャミルはロシア特務機関の仕業だといったが、アルダモフは誰よりも
シェワルナゼの暗部、グルジア国家の暗部に関わって、
それを知り尽くした男だ。
グルジア特務機関の仕業ということもありえるわけじゃないか。

私もまたグルジアでは、スキャンダルのカギを握る人間だ。