エルサレム賞をめぐるぼーけん

村上春樹の「ノルウェイの森」を読んだのは確か高校生のときでした。
友人にものすごく強く勧められて読んだのですが、「中二病じゃん」と、
思ったことを覚えています。
その後、なにかの機会に「羊をめぐる冒険」を読みました。
今回、エルサレム賞を受賞して、「卵と壁をめぐる演説」というのをした
そうです。が、「相変わらず中二病やってんじゃん」というのがぼくの
感想でした。
これまでパレスチナ問題に限らず、なにかについて声を上げてきたわけでも
なく、今回もパレスチナ問題について詳しく勉強した形跡もなく、
パレスチナ人が間違った卵?」と、逆に問われかねないような、半分
的外れな比喩をイスラエル人を前にぶち上げ、何ともつかない反応を浴びて
います。
しかし、日本人の間と、村上氏を天才文学者と信じる外国人ファンの間では
今回も大人気ですね。
ちなみに、イスラエル言論の自由がしっかりと保障された社会です。米国
なんかよりも幅の広い言論があります。同様にエルサレム賞を受賞した
スーザン・ソンタグは、村上氏みたいな的外れでもバレにくい比喩でなく、
直接の言葉で真っ正面からイスラエルパレスチナ政策を批判しました。
ソンタグがそれによって誰かから脅迫されたなんてこともありません。
しかし、ソンタグは米国の「対テロ戦争」には全面的な支持を表明。
ブッシュの戦争政策を批判する力がありませんでした。その程度の知識人
です。村上氏はつまり、それにすら大きく及びません。