撤回!ウズベキスタン航空

日付が変わる少し前、パスポートと搭乗券を受け取りました。これで、帰れるのだと実感できました。嬉しくて落ち着いていられません。
今回、8月末に出発したとき、いつもの出発と違っていました。出発が嬉しくて、わくわくしていたのです。こんなことはいつからなかったかなあ。いつも、出発するのがいやでいやで、成田へ向かう京成線の中ですでにホームシックになっているというのにです。そういうときはもちろん、帰れるとなると嬉しくてわくわくするのですが、今回は出発も嬉しくて、帰国も嬉しいので、一番幸せなのかも知れません。

ウズベキスタン航空には二度と乗りたくないといいましたが、前言全面撤回させてください。ウェイティングホールでホームレスとして二晩目を迎えようとした頃、天然プラチナブロンドのモデルみたいなロシア美女の空港スタッフが、話しかけてきました。
「夕べはどこでお休みになりましたの?」
「このベンチで寝ましたよ。少々寒かった」
「まあ、毛布をお使いにならなかったんですか?」
「毛布なんて、貸してもらえるものだったんですか?」
プラチナブロンドさんはそこで一旦、仕事へ戻ったのですが、深夜2時頃になって再びフロアに現れ、ぼくを手招きしました。連れて行かれたところは、空港スタッフ用の仮眠室でした。
「こちらで横になってください。今、毛布を掛けて差し上げますわ。明朝5時に出発ロビーへ移動いたしますので、その頃、起こしにまいります」
そして、ぼくに優しく毛布を掛けてくれました。もちろん、ぼくは嬉しくて全然眠れませんでした。ウズベキスタン航空、最高です。