振興策

タマジさんのお母さまは、「パンキシ渓谷を観光開発できないか」と相談されました。それは素晴らしいアイデアじゃないかと思います。戦争が続く圧制下のチェチェンは危険で、旅行者が訪れるには不適当です。しかし、今のパンキシならすでに安全で、しかも風光明媚、チェチェン国内にも残っていないような伝統的なチェチェン民族の生活が残っています。ここには難民がいっぱいいて、人材なら余っています。チェチェンの民族舞踏でも、女性によるズィクルでも、他の土地で絶対に観られないものを観光客に見せることができる、といいます。ノフチ、キストの文化はグルジアともアゼルバイジャンともまるで違うスーフィ・イスラムの文化です。それでいて、観光資源に富んだグルジアとの連続性も有利です。

チェチェンも、グルジアも、アブハジアもそうですが、なぜこれほど美しい土地で戦争が続くのだろう、とずっと思っていました。カフカスは間違いなく、世界で一番美しいところなのです。こんな美しいところは石油や資源開発で壊してしまうのも、戦争で荒廃させてしまうのも、あまりにももったいないです。