Who's Bad?

ここにいると、嘘ばかりついている自分がイヤになってきます。F氏の家族がインドミ(インスタントラーメン)を作ってくださって、「インドミ好き」と聞いてくださったのですが、ぼくはもちろん、「好きです」と、答えました。
ドロドロのゲル状でなければね、とか。せっかくのスープを全部捨てて、トウガラシ漬けにしてなければね、とか。その上、下水の臭いがしてなければね、とか口が裂けても言えません。自分の心の中の声を自分で聞きながら、心底自己嫌悪に陥ります。それで、せめて、下水の臭いのドロドロのインドミを、ありったけの蛮勇を振り絞って完食します。おかげで胃の調子が悪い…
昨日はやはり、ヤムペーストとオクラのゲルをぼくがあんまり食べないので、Bが心配して声をかけてくれました。BもOもF氏もその家族もすごーく親切なだけに、自分の黒い黒い心が情けない。
アバカリキの事務所では一度だけ、Jに「ナイジェリアのめしはあまりにもシンプル」と、それでもオブラートに包んだ表現で告白したことがあります。ホントはシンプルとか複雑とかいう問題じゃないんですけど。例の腐った肉が出てきた翌日です。
彼らは味覚の問題で、下水の臭いがしようが腐っていようが分からないのですから、わざわざ指摘してイヤな気分にさせる必要はないと思います。美味しいと思ってみんな食べているんだし。
ナイジェリア人のスタンダードが日本その他の地域のスタンダードとかけ離れているということですから、ここで生活しようとする外部の人間が、ナイジェリアン・スタンダードに合わせられないなら、出て行くか、独自の生活圏を作るしかないわけです。実際、外国人はラゴスのビクトリア島か、アブジャ中心街に、ほとんど別世界のような地域を作って暮らしているわけですから。
あ〜あ、やっぱおいらが悪いんだよ。全部おいらの責任だよ。