また苦行

F氏はぼくに、「正月に一週間もガスなしでパンかじってたって?そんな体験はぜひ、本に書くべきだ」というのですが、ぼくとしてはガスより、水道の出ない家で何年も暮らしてるきみの方が大変だと思うぞ。
正直今日は、仕事よりも、仕事が終わったあとでF宅で過ごす時間がきつかった!F氏の家族は本当に親切で、ぼくにだけ未開封のミネラルウォーターを用意してくれたりするのですが、一緒に出してくださったグラスが下水臭い。つまり、食器を洗う水が衛生的でないのでしょう。こんな明確な匂いがしてるのに、ナイジェリア人は気が付かないらしい。酒もタバコもやらないこの人たちがなぜこうも嗅覚と味覚が鈍いのか、分かりませんが、子どもの頃から唐辛子ばかり口にしているせいかなあ。ナイジェリアでは離乳まもない子どもでも、大人と同じ唐辛子漬けのようなものを食べています。そりゃ、ぼくだけお腹が痛くなっても、彼らは平気なわけだよ。
F氏の家では、外でドロドロに汚れて帰ってきたというのに、手も洗えません。ずっと手と顔を洗いたくてむずむずしてるのに、ソファに座ってじっとしているしかない。パソコンを立ち上げることもできず、何時間もただ、座りっぱなしでじっとしています。OやBはやはり座りっぱなしなのですが、特にストレスも感じていないらしい。ぼくはせっかく安ホテルの部屋を取ったのだから、戻って一人になって、のびのびしたいと思うのですが、彼らは逆に、ぼくを一人にして淋しい思いをさせまいと気を使ってくれているらしい。うう…スレ違いなのね。
でも今日は嬉しいこともありました。と、いうのは、数カ月ぶりで紅茶が飲めました!朝食時に、OとBは山盛りのヤム芋のペーストを食べていたのですが、「ティもあるよ」というので、期待せずに「じゃ、そっちで」と、応じたら、食パンと本物の紅茶が出てきました。ココアじゃなかった!マグカップ2杯分にリプトンのティバッグ一つだし、湯がぬるいので薄かったけど、ちゃんと紅茶の香りがしました。この国の人たちがお茶を飲む習慣がないのは、嗅覚の鈍さと関係あるかな?