メモリ不足

定額GPRSがあってのアバカリキ事務所の暮らしは、とっても幸せだったなあと思います。発電機や家の配電設備が壊れさえしなければ、食事もバタつきパンかインスタントラーメンを食べていればいいし、面倒なことはなにもなくてよかった。
ぼくはなにか仕事するとき、同時に他のことを考えることができないので、ベニンやラゴスで一般家庭に預けられているのは、本当は苦痛です。仕事のことを考えていたいのに、仕事と関係ない人たちとお付き合いをしなければならない。気も漫ろなのが、すぐに悟られているだろうし。これじゃ、ぼくを預かる家族にも迷惑で申し訳ないと思います。
ナイジェリアの人たちが、これまで会ったこともないほど、みな親切だからこそ、いよいよ申し訳ないです。ラゴスのJくんはぼくを他の仲間にも紹介してくれ、ガールフレンドまであてがおうとしてくれますが、ご存知のように超イスラム原理主義過激派のぼくはナイジェリアでギャルゲットするつもりは皆無です。そういうベクトルがないときにぼくは、どんなブリブリ美女に迫られてもその気になれません。実はここで友だちを作る気すらありません。共通の話題はないし。ニジェールデルタのアクションには関心ありますけど。
仕事ができればそれだけで十分。他のことはすべて煩わしいだけです。日本や、そのほかの国々に残してきた、考えなきゃいけないことがいっぱいあって、これ以上抱え込めません。