通院

朝からトラムとボートとバスを乗り継いで、アジア側の病院へ。主治医は今日は非番でいなかったが、美人の女医さんが診てくれた。
「抗生剤が必要だと思うんです」と、いうと「その通りです」とのこと。一目見て分かるほど私のおちんちんは膿を持って、おかしな具合に変形して腫れ上がっている。女医さんは私のおちんちんを縛り上げていた元凶のテーピングを慣れた手つきで外すと、消毒薬に浸したガーゼで拭い始めた。再び、切除のときと変わらぬほどの痛みに襲われて、私はベッドの上でうめいた。
結局、主治医のお粗末な術後処理が化膿の原因だった。膨張率を考慮せずに雁字搦めにテーピングしたものだから、本体の、それも一番保護されるべき手術跡を傷つけたのだ。さらに、定期的な消毒が必要だというのに、「ぬるま湯で洗え」などと指示したために、そこからさらに雑菌が入ったらしい。
女医は抗生剤と痛み止めを処方した上で、「明日の午後4時に来るように。消毒して包帯を替えます」といった。ものすごく当たり前の処置だが、主治医にはどうしてそれができなかったのだろう。
今朝までお先真っ暗という気分だったのが、帰り道には希望が見えてきた。このまま幹部が悪化して、「全ちん切除」ということになったら、この先どうして生きてゆこう、とさめざめ考えていたところだったから。