ぼうずの罠(その1)

 やられたざんす!またしても、ぼうずに騙されたざんす。ひどい目に遭ったざんす。実は、昨日一日、おフランスにいってたざんす。おフランスにいったといっても、国境を数百メートルだけフランス側に入ったとかいうみみっちい話じゃないざんす。欧州議会がある、EUの「首都」ストラスブールへ列車でいってきたざんす。
 朝起きると、寺澤上人が突然、「ストラスブールに行きたいなあ」と、言い出したざんす。「ここからすぐだから、日帰りできるよ。週末の日帰り切符は安いんですよ」そして、鉄道駅で時刻表を見てから決めようということになったざんす。
 鉄道駅で聞いてみたら、確かに日帰りできるけど、ストラスブール滞在時間は2時間しかないことがわかったざんす。それに、週末割引切符なんかなくて、往復1万6千円ぐらいかかるざんす。でも、もう遅かったざんす。気が付いたらミーと寺澤上人の二人分、切符が発行されていたざんす。
 行きは4時間かかったざんす。夕方4時過ぎにストラスブールの駅に着くと、殉教したマスハドフ大統領の肖像がプリントされたTシャツを着た、どこからみてもマフィアにしか見えない男がミーと上人を待っていたざんす。チェチェン人だったざんす。(その2へ)