物価

 昨夜のうちに、この宿の宿泊費9日間分252フラン(≒\22,680)を、すでに払ってしまった。私の航空券はフィクスで、予定を早めることもできないし、他にここよりもいい宿泊場所があるわけでもないだろうからだ。ドミトリー一泊あたり28フラン(≒\2,520)ということになるが、朝食付きだし、インターネットがLANも繋げて無料ときてるので、高くないどころか、去年訪れたロンドンあたりと比べて、半額以下だ。ロンドンの不便極まりない郊外の某ユースホステルは、悪臭漂う不潔な6人部屋のベッドひとつ素泊まりで5500円も取りやがった!それからすると、世界一物価が高いと噂のスイスでそんな安くていいの?という印象だ。それに、初日の夕食に至っては、通常10フランのところを5フランにまけてもらった。一泊28フランというのは先進国々籍者に課された料金で、宿泊者のほとんどに当たる途上国々籍者は16フラン(≒\1,440)で泊まっている。
 トルコの物価が上がったことを、私はぶうぶう文句いっていたけど、イスタンブルで私は一泊800円で泊まっていたんだし、やはり安かったんだなあ。一泊5ドルで済ませていたそれ以前が安すぎたということか。ああ、それからすると、一泊450円でご馳走まで出してくれるトビリシのシラゼおばあちゃんちは、本当によかったなあ。
 イスタンブルチェチェン難民たちは、トルコの物価の高さに毎日悲鳴を上げていた。彼らの多くはモスクワの生活も体験していたり、親戚から聞いたりして知っているはずだが、モスクワが世界で最も物価の高い街になったとはいっても、もともとビンボー人で溢れかえっている場所だから、ビンボーでもなんとかやってゆく抜け道のようなものがいっぱいあった。イスタンブルにもビンボー人はいっぱいいるのだが、よそ者のチェチェン難民にとっては抜け道が見つかりにくいのだろう。
 それにしても、久し振りに西ヨーロッパに来てみると、つくづく西ヨーロッパ人というのは、美女美男がいなくて、あごがなかったり、鼻が反り返っていたりと、みんなマンガみたいな顔をしている。あごがなくてもいい顔というのはあるのだが、どうも顔つきに「気合」が入っていない。それとも、ジュネーブ人がそうだということなのか?ハリウッド映画に出てくるのはホントに特殊な一握りなのだなあ。カメラを向ける気にもなれず、一枚の写真もまだ撮っていない。