イラク帰り

実はここだけの話だが、シリアにいる間に、反米武力闘争している
ムジャヒディンにちゃっかり逢ってきたよ。サウジアラビア人と、
それから驚くなかれ、ロシアの少数民族ムスリムがいっぱいいた。
というか、彼らがロシア語を話していたから私は話ができたのだ。
「お前、どこでロシア語覚えたんだ?」と訊かれて、「チェチェンだよ」
と、答えたら、凍り付いていた。全員の顔から一瞬で笑顔が消えた。
猛烈に警戒されたようだが、自分の経歴を詳しく話すと、なんとか再び
笑顔に戻ってくれた。
チェチェンの聖戦士と同様に、彼らも本名で生活してはいなかった。
ちょっとしたきっかけで、彼らのパスポートを見る機会があったが、
呼び合っている名前と別の名が記載されていた。

チェチェン大統領マスハドフの殉教で、急遽イスタンブルに出てくる
ことになったものだから、彼らといろいろ話ができなくて残念だった。
でも、急いでこっちへ来たおかげで、昨日の追悼夕食会に参加させて
もらえたんだから、やっぱり私は運がいい。