「きのうも空爆がありました」

ギャルギャル小林エリカさんが「きのうも空爆がありました」キャンペーン
を(参照→ http://www.homesickless.org/bag.html
再開されたので、応援のファンメールを送ったら、返信が来た!
嬉しい嬉しい。

彼女の活動は、「今日、空爆がありました」とニュースに流され、
消えてゆく情報を、自分たちの身に迫った問題として
捉え直してみようという試みだ。

海外の戦争のニュースは、イラク戦争開戦などのビッグイベントでも
ない限り、視聴率に結びつかない。
テレビにとって、報道はもともと金になりにくいところへ来て、
市民生活から縁遠い国際報道はいよいよなんの旨みもない。

しかし、小林さんはたとえ世界の果ての見知らぬ誰かの死でも、
それはもしかすると自分が出会うはずのたった一人の死だったかも
知れないと想像してみる。
そうすることで、ニュースとして流され、心をよぎって消えてゆく情報を、
心から消すまい、心の中にとどめようとする。
そのためのプロセスが、彼女が以前試みた
空爆の日に会いましょう」という行動であり、
(参照→ http://www.homesickless.org/ja/
「きのうも空爆がありました」という行動だ。

私にとっては、それはなんとも申し訳なく、歯がゆい。
自分の無能と無力さが、小林さんの行動を十分なものにできないと
分かっているからだ。

イラクファルージャで大規模攻撃が始まったことは世界に
伝えられているが、イラクでのこれまでの死者は2〜10万人。
これに対して、
チェチェン戦争の死者は94年以来20〜25万人
中央アフリカコンゴ内戦の死者は99年以来330万人
スーダン内戦の死者は過去20年間で200万人
ソマリア内戦の死者は少なくとも100万人
リベリア、シェラレオネなど西アフリカでもそれぞれ
20〜25万人が殺害されている。

イラクパレスチナ、そして911以後のアフガニスタン
戦争のニュースが流れているが、チェチェン、アフリカ諸国は
何万人が殺されようと、一行たりとも伝えられない。

報道が伝えている世界の戦争の実相というのは、例えば、世界で
1000万人が殺されているうち、イラクパレスチナで殺された
2.5万人についてだけニュースにしているような状態だ。
つまり、1000分の2.5程度しか、実態を伝えていないということだ。

小林さんたちがニュースの情報を最大限に生かす試みを続けているのに、
肝心のニュースはこれほどまでに不十分だ。
私たちはすべき仕事をしていない。