ザカエフの限界

チェチェン独立派文化大臣ザカエフが野戦司令官バサエフ
学校占拠事件犯行声明にコメントしている。
(参照→ http://www.chechenpress.info/news/2004/09/18/01.shtml
(参照→ http://groups.msn.com/ChechenWatch/general.msnw?action=get_message&mview=1&ID_Message=1465
読んでがっかりする。
バサエフも、彼に従った占拠犯たちも、ザカエフの立場からすると
彼の管理下にあるべきチェチェン・イチケリヤ共和国国民だ。

イチケリヤの反侵略・独立闘争は罪のない一般市民を犠牲にしないという
根本的な方針があるのなら、それを絶え間なく国民に呼びかけ、
闘争のあり方を指導すべきだ。

しかし、今までも今回も、「バサエフと私たちは関係ない」と
繰り返すばかりで、国民を率いてゆこうという責任意識が一片も見えない。
バサエフに対しても、他の戦士たちに対しても、ムスリムとして、
誇り高きチェチェンの男として、正々堂々と侵略者に立ち向かえと、
なぜ訴えないのか?
そしてその結果、バサエフの無差別攻撃路線による闘争指導が
主流になってゆくとしたら、チェチェンは間違いなく自滅するだろう。

まずいのは、一つにはザカエフ他有力指導者がチェチェン国外に
脱出してしまい、国内に残っていないこと、もう一つはザカエフ自身が
イスラムの基本理念をしっかりと学んでいないことだ。
ザカエフは戦士たちに、逃げずに正面から敵に立ち向かえという
言葉を持たないのだ。
だから、一歩も引かずに地獄のような戦場に留まって戦っているバサエフ
歪められ異形のものに変わり果てたイスラム思想を、若い戦士たちが
そのまま自分たちのものにしてしまう。

それはそうと、朝日新聞が産経に負けじと、学校占拠事件の
検証記事を出してきた。
(参照→ http://www.asahi.com/special/040904/TKY200409180265.html
ロシア秘密警察当局の情報統制に対抗しようという志らしいが、
いかんせん基礎知識があまりにも貧しく、「ジャマアト」という
アラビア語由来のロシア現代用語の一般名詞を、固有名詞と
勘違いしている。
ジャマアトは旧ソ連ロシア語通用地域で、イスラム系の小グループ
全般を指す一般名詞だ。
特定の団体の名称ではない。
顔を洗って出直してきなさい。