暗殺未遂?

北オセチア学校占拠事件の背後で、不気味な事態が同時進行している。
日本でも一週間前に著書が出版されたばかりのロシアの勇敢な女性
ジャーナリスト・アンナ・ポリトコフスカヤが重態に陥ったというのだ。
(参照→ http://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=0130&webCode=00808912004
(参照→ http://grani.ru/Society/Media/m.76149.html
あろうことか、学校占拠事件の取材のため、現地へ向かう飛行機の中で
毒を盛られた可能性がある、という。
そして、ロシアのもう一人の英雄的なジャーナリスト・アンドレイ・
バビツキーも、現地へ向かおうとして、空港で理由もなく
警察に拘束されてしまった。
(参照→ http://groups.msn.com/ChechenWatch/general.msnw?action=get_message&mview=1&ID_Message=1420
アンナ・ポリトコフスカヤはモスクワ劇場占拠事件の際、
唯一劇場内に入って、占拠グループにインタヴューをした。
バビツキーは99年に第二次チェチェン戦争が始まったとき、世界で唯一人、
包囲・空爆下のグロズヌィに留まって、ロシア軍の無差別攻撃の被害を
世界に伝え続け、プーチンから「テロリストの一員」と非難された上、
秘密警察FSBに誘拐され、自力脱出して九死に一生を得た。

今回の不審な出来事について、「秘密警察の仕業だ」というと、
「ばかげた陰謀論だ」と反応すべきなのが、通常のまともな国家での話だ。
しかし、ロシアではそれは単にものを知らない人ということになる。
今出ているPLAYBOY日本版10月号に書いたが、
(参照→ http://m-playboy.shueisha.co.jp/features/
現在のロシアでは秘密警察が要人を暗殺することは特別なことですらない。
これまでにプーチンを批判したジャーナリスト、政治家、実業家が
次々と不審な死を遂げている。

今回、同じ日のうちにおかしな出来事にあったジャーナリストたちは、
チェチェン独立派のメンバーを、一人一人の顔に至るまで
知っている人たちだ。
彼らが学校内に入っていたら、占拠グループがなにものなのかが
分かった可能性がある。
それが不都合だというのだろうか?