アンマン

アンマンに到達。
やはりローカルの交通機関を使う以上、何の治安上の危険もない。
アンマン行きの乗り合いタクシーは去年の5月末より
10ドル値下がりして一人25ドルだった。
バグダッドエアー社のプロペラ機や、
護衛つきチャーター車を使う場合の20分の一以下の金額だ。
なぜ、大手メディアの皆さんがおっかなびっくりでいながら、
わざわざ最も危ない方法を取り続けているのか、理解に苦しむ。

ニワトリというのはびっくりさせると一種のヒステリー状態になって、
目の前の金網に盲目的に体当たりを繰り返したりという行動をとる。
知性を欠いた恐怖心がより危険を引き寄せる。
そういうものかな?

明日の早朝、アポなしで空港へ行って、
成田行きに乗れないか挑戦してみる。
「ロイヤルジョルダン航空のコードシェア便だから、
90パーセント大丈夫だよ」
と、地元の旅行社の男性は言った。

今まで、他の地域の取材では、帰国することも、
生き延びること自体も諦めかけたこともあった。
限界まで飢えて、消耗の果てに、幻覚を見たこともあった。
ここでは、戦争中も含め、毎日何の不自由もなくベッドに寝て、
腹いっぱいうまいものを食べ、誰からも身を脅かされることもない。
これが戦争取材といえるのか。
被害者の痛みなど、分かろうはずもない。
イラク情報省管理を逃れ倒し、潜伏し続けて、
国外退去処分を受けてすらこうだ。
ましてやプレスツアー専門の連中など…
サフィールホテルで橋田信介さんとも話したが、
イラクはやっぱり私にはぬるすぎる。