アーシュラーのサマワ(その1)

午前6時代に起きてシャワーを浴び、巡礼ツアーの団体客に混じって
朝食を食べた。
午前8時20分、ガラージュ・アラウィから5000ディナール
乗り合いタクシーでサマワへ向かう。
午前11時半頃サマワ到着、サアド・ホテルに投宿。
インターネットへいって、午後1時半頃まで、街のようすを見て周る。
落ち着いているようだ。
午後2時半頃から、アーシュラーの鞭打ち行列が始まる。
カメラを二台首から提げて、走り回って写真を撮る。
思った通り、サマワのアーシュラーはカルバラよりむしろ熱狂的だ。
大通りを練り歩く男たちは背中や頭から血を流し、
沿道の女たちは涙を流している。
フィルムを3本使った。
昨日の事件でデモに発展するような雰囲気は今のところない。
鞭打ち行列にはカラシニコフを提げたイラク人警察官が付き添っている。
これには二つの意味がある。
シーア派を敵視する武装グループの攻撃への警戒と、
鞭打ち行列が統制を失って反米行動に走る可能性への警戒だ。

明日は休日となる。
タクシーで自衛隊の宿営地へ行ってみよう。

アーシュラーでレストランが休みなので、サアドホテルにお願いして、
食事も出してもらった。
午後8時半頃、さっき食事を運んできた少年が、部屋に入ってきていった。
「ねえミスター、100ドルちょうだい」
こういうのはよくある。
よくあるけれど、今日のはちょっと違っている。
少年の眼がきらきらしている。
からかっているつもりでも冗談のつもりでもない。
本気で、お願いすれば日本人はくれるだろうと思い込んでいる。
放置して作業に戻り、少年が諦めて出てゆくのを見送ったが、
なんだかいやあな気持ちになった。
ここはドイナカだ。
人がすごく純粋だ。
そしてシンプルでもある。
サマワの人たちに客人と認めてもらえれば、ここでは私はずっと
幸せだろう。