本売ってないし…(その2)

ここで小林エリカさんが、世界のどこかの戦争を
誰かに誘導されてよそ事として捉えることを拒否して、
主体的に自ら自分の生活に引き寄せて捉えようとした試みは、
上記の錯誤を回避しうるプロセスになるのではないかと思う。

私たちの多くは、ニュースでしか戦争の被害を知ることができないが、
ほとんどの戦争の死はニュースの数行の記述となって、
私たち「カンケイない人々」には読んだ瞬間には忘れ去られてしまう。

私たちが忘れず認識できるのは、新聞数行の記述で終わらず、
世間を巻き込んで話題になる事件だ。
だからそれは戦争とは限らず、たまちゃんだったり
芸能人の不倫だったりする。

今回の米軍のイラク侵攻で初めて声を挙げた人たちというのは、
そういう意味で基本的には「たまちゃん可愛い!」と騒いでいる人たちと
変わりがないのかもしれない。
本当はたまちゃんも芸能人の不倫も、私たちとはなんのカンケイも
ないのだけれど、私たちはそれがあんまり話題になるものだから、
自分にとって重大な問題なのではないかと勘違いをする。

しかしエリカさんは、新聞の数行の記述に表れたきり
消えてゆく事実の方に、無関係でいまいと試みた。
世界のどこかに自分が本来出会い、愛するはずだった人たちがいて、
今死んでゆこうとしているのかもしれないという事実を
自ら主体的に自分の身に認識しやすいように捉えなおそうとした。
自分が爆弾となることで。
メディアに作用されて動くのではなく、
平等であるべきだった命を自分の中で捉えなおすというプロセスは、
「平和活動家」の一時的な思い込みの世界と違って、
現実に喰らいついて離れないような気がする。

雑誌発行を記念して、切通さん、エリカさんに加え、
我らが「人間の盾」神崎雅明くんらも参加して
トークライブが開かれたらしい。
(参照→http://homepage2.nifty.com/stage/
それも、8月15日に!
べたべたやん!?

行きたかった!