『公開恋愛』はなかった(その1)

コンゴ取材の試算をして、頭を抱える。
アフリカ行きの航空券のなんとバカ高いことか。

前川氏からお別れのメールが届く。
私たちは実質、17日を最後に終わっていた。
名目的にさえ24日の夜に、「どうしても、あなたを恋人とは思えません」
というメールをもらい、それで終わっていた。
私は17日からあと、彼女が私に対して完全に冷めてしまったことに
気づいていた。
私はカメラを持っていたのに、前川氏を撮れなかった。
彼女が嫌がったというだけではない。
彼女の表情の中に、私に対するなんらかの感情というものを
見つけることができなかったのだ。
彼女は物理的に私に視線を向けようとすらしなかった。
それなのに、彼女から「あなたを恋人だと思っている」「ちゃんと好きだ」
といわれ続けるのがとても苦しかった。
22日から24日にかけて、私は前川氏に、自分に対する恋愛感情がないことを
確認しようと、立て続けにメールを送った。
その答えが24日の「ラブレターのお返事」で、
前川氏は私を偽っていたことを認めてくれた。
私は自分の恋愛が終わったことを確認できて、楽になった。
彼女もまた、「私はもうフリーだ」といって、楽しそうに見えた。

が、私はそういう一切をここには隠していた。
前川氏が「公開しないで」といったからだ。
24日以降、本当は「公開恋愛」は存在していなかった。
私たちは閲覧者すべてを偽り、欺き、騙し続けた。
謝罪します。
申し訳ありませんでした。
(その2に続く)