三つのゼロ

アフリカ大戦といわれたコンゴの内戦が終結するという。
98年からの4年間に、市民200万人が殺害されたと推定されている。
聞いて、後悔した。
なぜ私はこれを取材しなかったのだろう。
パレスチナの第二次インティファーダは、2000年に始まって以来、
二千数百人が犠牲になっている。
「たったの」という気はないが、コンゴとゼロの数が三つも違うのだ。
これに対して、コンゴに関する報道とパレスチナに関する報道の
分量比はいかほどであろう?
明らかに公平ではない。
私たちは、人命を等価に扱わなかった。
チェチェン戦争の場合、94年から、17〜20万人が犠牲になったという。
それでもやはり、パレスチナとは桁が二つ違う。
だから、他に誰も注目しなくても、私はこれに関わろうとした。
それでもまだ、全く不十分だった。