妄言教授

今年もラマダンが始まった。
午前3時頃、ビスケットをむしゃむしゃ食べて備えた。
ラマダン カリーム!

またも、モスクワ劇場占拠事件に関して
お粗末極まりない論説を見掛けた。
毎日新聞に寄稿された東大の山内昌之教授の論文だ。
チェチェンパレスチナ 出口なきテロの悲劇」
http://www.mainichi.co.jp/eye/kaze/200211/03-1.html
スルタンガリエフの夢」(サントリー学芸賞)など、
旧ソ連イスラムに関して研究したはずのこの人は恐らく、
今回日本語でしか記事を読んでいないのだろう。
日本のメディアが全くそうであったように、
この人も事件の背景に目を向けようとしておらず、
虚構の「国際テロネットワーク」の存在を盲信した通り一遍の「テロ批判」と、
チェチェン側にテロとの決別と和平交渉による解決を促しつつ、
交渉相手を見つける難しさについてプーチンに同情するという、
天地がひっくり返ったような提言に終始している。
登場人物があべこべだよって!
イスラムに関わる「日本一」の知性とされてきた権威がこの妄言だ。
涙もちょちょぎれらあ。
膝をついて頼むから、学者を名乗る以上は勉強してくれと懇願したい。

批判ばっかりして、いいものを示さないといわないでくださいね。
絶対評価ではなく、相対評価です。
政府統制下にあるロシアのメディアでも、
ノヴァヤガゼータなど依然プーチンの政策を厳しく批判しているものがあるし、
ドイツのフランクフルターアルゲマイネや米ニューズウィークなど、
欧米のメディアにはロシアの公式発表垂れ流しではない、
独自の取材と情報、そして視点を持つものが見られます。
韓国の中央日報だって、日本のメディアに比べるとずっと独立性が高い。
そういう中で日本のメディアだけが極端にロシア当局発表のいいなりで、
テロとの戦い」などというジョークを真に受け、
まるで新華社通信みたいです。