怪書(その2)

結局、編集者の方針がはっきりしていなかったことから、
こういうちぐはぐな本ができてしまったのでしょう。
そこへ来て、出版社の方はこの本を、
想定される読者層の低い方の基準に合わせて、
マニア向けと位置づけて売ることにしたようです。
そのため、出版直前になって「軍事同盟研究会・編」なんていう編著者名が
執筆者に無断でつけられました。

ダラダラいっててもしょうがないですね。
はっきり言っちゃいます。

「知られざる戦争報道の舞台裏」は

第1章 インティファーダ/造られた戦場(成田慎)→ダメ
第2章 疑惑のテロネットワーク(常岡浩介)→ナイス!
第3章 米国サイドから見たテロ情報(福好昌治)→ダメ
第4章 アフガン空爆の実態(大久保義信)→ナイス!
第5章 封印されたアフガンの悲劇(常岡浩介)→ナイス!
第6章 北欧でのアフガン・テロ報道(斎木伸生)→ゴミ
第7章 日米広報活動比較(柿谷哲也)→ゴミ
第8章 戦場取材時のリスク(加藤健二郎)→ナイス!
第9章 現地取材でのコミュニケーション(村上和己)→ナイス!
第10章 戦場写真の撮り方(加藤健二郎)→ナイス!
第11章 戦場ジャーナリストの一日(加藤健二郎)→ナイス!
第12章 日本国内メディアの限界(村上和己)→ゴミ

スペシャルコラム
戦場取材の舞台裏/9.11事件の新聞のトンデモコラム(大久保義信)→ナイス!

と、まあ、こういう構成になっています。
全13パート中、「ナイス!」は8パート、「ダメ」「ゴミ」が5パートです。
これは私が読者だとした場合で、ミリタリーマニアの読者が判断すると、
「ダメ」「ゴミ」と「ナイス!」が半分ぐらい逆転するでしょう。
この対価として2200円という値段は消費者にとって許されるでしょうか?

こんなん書いちゃうなんて、この日記、面白いでしょ?

普通、著者というものは普通、書いた本が売れたらいいな、
と思うものだと思います。
私も今回の本が売れたらいいなと思っていますが、同時に、
こんなのが売れるわけがないよ、売れたらまずいだろう、
という強い思いもあるんです。

東長崎機関で掲載している読者評をみますと、
これまでの東長崎機関著作物の例に見られない酷評が目立っています。(↓)
http://2.hotspace.jp/~higashi-nagasaki/e_pub/EE2002-01aa.html