速報:赤飯テロ

私のことをテロリズム容認派だとかいう人がいるが、
私はあらゆるテロに断固反対だ。
実はたった今、卑劣極まりない無差別テロに遭った。
これからギャルと映画の試写会を見に行くので、
気合いを入れて、着るものを洗濯しようと、コインランドリーに出掛けた。
30分経って、洗濯済みの衣類を取り込みにランドリーへ戻ると、
私の大事な一張羅は洗濯機の中で小豆と米粒にまみれていた。
私が離れている隙に、何者かが洗濯槽に余り物の赤飯を投げ込んだのだった。
テロだ!!!
いや、しかし無差別ではなく、狙われていたのかも知れない。
私がランドリーに行くことを予測して、
一週間前から張り込んでいたのに違いない。
そして、私がランドリールームを離れたわずか数十分間に、
用意した赤飯を誰にも見られずに洗濯槽に投入したのだ。
実に鮮やかで周到な、手の込んだ手口といわねばならない。
それにしても、赤飯が凶器というのは前代未聞だ。
こちらの想定を遙かに超越していて、
危機管理対策の立てようがないところをつけいられた形だ。
犯人は実に狡猾といわねばならない。
ひょっとすると、赤飯にはなにか政治的なメッセージが?
恨みによる反抗、政治的行動の線から犯行動機を突き止めてゆく必要があるが、
仮に恨みによる犯行だとして、私に恨みを持っているものといえば・・・・・・
どろどろになった勝負ぱんつを握りしめながら、
我が脳裏をギャルの顔が浮かんでは消えていった。