大人気(おとなげ)(その2)

日本人が偏狭で大人気なく、非常識だということを
十分に理解して利用したのだとしたら、実行者はかなりアタマが切れる。

実際のところ、モスレムでない日本人には
絶対に理解できないというわけではないのだ。
感情は理解できないにしても、行為と結果の予測ぐらいはできる人もいる。
実は昨日の朝、別の友人からメールを戴いた。
以前テレビでチェチェンの特集を作ったときに、
ロシア語の翻訳をしてくれた方だ。
彼女は留学経験が豊富で、配偶者も外国人だ。
彼女はメールで、例のニュースを嫌な話だ、といっていた。
日本人はよそ者に対して閉鎖的で、
差別される経験なんて分からない人たちだと訴えていた。
欧州・旧ソ連の留学先で散々、アジア人として
差別の対象にされてきた彼女ならではの言葉だ。

かといって、理解してくれない友人を責める気にもなれないのだ。
彼ら、彼女たちの方が日本では一般的で、
日本とはそういう風に思考する国なのだから。
海外で、トルコ人らしく思考するトルコ人や、ロシア人らしく考えるロシア人、
チェチェン人らしく考えるチェチェン人にしばしば出会う。
仲のいい友人もいる。
トルコ人クルド人やアレウィー派を嫌悪し、
ロシア人は極東人やカフカス人を蔑み、チェチェン人はロシア人を憎む。
友人に対して私はアレウィー派を擁護するけれど、
その友人が理解してくれないからといって、つまらない人間だとは限らない。
彼らはそのコミュニティではごく普通なだけだ。
私の一面的な思考しかできない眼に、大人気なく映るに過ぎない。