在日クルド人ハンスト

ペルシア語の授業を終えて、早稲田大学から高田馬場
早稲田通りを歩いていたら、
どこかのマンションの前の歩道に男たちが座り込んでいた。
ハンサムで緊張感のある彼らの顔立ちを見て、一目で分かった。
クルド人だ。
懐かしさに、思わず話し掛けた。
が、私が少し知っているスーラニー方言は通じない。
トルコのクルド人の多くはクルマンジー方言を話す。
幸い、日本語が通じた。
多くが日本での滞在がもう長いのだ。
トルコ国籍在日クルド人の団体が
トルコの最高裁で死刑判決を受けた
PKK(クルド労働者党)党首オジャラン議長の
釈放を求めて、ハンガー・ストライキを敢行中だった。
今日、ストラスブルクの欧州委員会
彼に対する釈放要求決議が出るかどうかが決まる。
それに合わせての抗議行動だという。
新聞記者の姿も、テレビカメラも見えない。
彼らがここでハンストをやったところで、
抗議の意思はどこへも伝わりそうには見えなかった。

イスタンブルで、トルコ人女子大生エリフと雑談していた時、
「トルコに今まで何度来たの?」と尋ねられた私は
「3回目。でも、2回目はクルディスタンだけだったから・・・」
といってしまった。
エリフは真顔になって、
「トルコにクルディスタンはないわ」
といい放ったものだ。

そういえば今回、グルジアで出会ったトルコ系クルド人の男も、
「トルコにクルディスタンはない」と食ってかかった。
トルコでは「クルド労働者党」だとか、PKKといった語は使われない。
単に「テロリスト」といえば、彼らを意味する。
ハンストをやっている彼らは、故郷ではまごうことなき
テロリストなのだろう。