上智大講義・第一回

夕べは上智大学新聞学科で非常勤講師のお仕事をしてきました。ずっと
引きこもっていたんですが、家から這い出して、お昼には映画配給会社
太秦で打ち合わせもしましたし、まにんげんへの第一歩です。

新聞学科・田島康彦教授の教室は大入り満員で、大人気なんだなあ、と思わせ
ました。こんなに大勢の人の前でお話ししたのはイラク戦争開戦直後以来
かも知れません。
夕べは第一回で、チェチェン戦争の取材中の、酷い目にあった体験談を中心に
お話しました。はじめなので、活劇があった方が掴みがいいかも、と思った
ので。
来週の第二回は、リトビネンコ事件他、スパイのお話をします、と予告いたし
ました。来年初めの第三回は戦争報道、国際報道全般、そして、今回の他の
講師の皆さんとの共通テーマである「ジャーナリストへのいざない」という
部分のお話をしようと思います。もっとも、ぼくは、他の誰かに
「ジャーナリストになった方がいいよ」、なんてとてもお勧めできません
けど。

講義のあとには活発な質疑があって、終了後にも何人かの学生さんたちが、
個人的にいろいろ質問してくれました。以前、パレスチナで第二次
インティファーダが始まった頃あたりは、野心とカメラだけを持った若者
たちが蜂起現場に現れて、突撃隊みたいに写真を撮っている姿があったもの
ですが、最近はそういう人をまるで見掛けなくなりました。ジャーナリスト
やカメラマンなんて全然カッコよくもないし、尊敬されもしないと分かって
から、すっかり流行らなくなったみたいです。そういう、ジャーナリズムが
全然流行ってない中で、それでもジャーナリズムを志望する人というのは、
パレスチナ組の若者たちみたいにすぐに飽きて消えていったりしないの
かなあ、などと考えてしまいます。