アフガン人に勝てるわけないでしょ

時事通信が英日曜紙サンデー・タイムズの記事を紹介しています。
アフガニスタン英軍最高司令官へのインタヴューで、タリバンとの交渉に
よる戦争終結を訴えています。

タリバンには勝てない」=英軍司令官、交渉を主張
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008100500209

98年12月にぼくが会ったアハマド・シャー・マスードは、「いつまで戦うの
か?」というぼくの質問に対して、「タリバンが交渉に応じるまで」と明確に
答えました。以下、彼の言葉です。今でもはっきりとおぼえています。
イスラム教徒同士は戦争をしてはならない。タリバンもまたイスラム教徒だ。
それはよく分かっている。私たち自身がそれを気にかけ続けている。しかし、
クルアーンには『人は自分を守らねばならない』ともある。だから、私たちは
自己防衛の闘いだけを認めて、それに従って、タリバンと戦っています。
この戦争は、タリバンが交渉の席に就くとき、終わります。
私たちは決して、カンダハルを攻撃しません。なぜなら、タリバンの故地が
カンダハルであり、カンダハルの住民の多くがタリバンを支持していること
を知っているからです。カンダハルを攻撃すれば、私たちが侵略者になって
しまう。クルアーンの教えに従って、私たちは侵略者にはならない」

しかし、マスード死後の北部同盟は米軍とともに首都カブール奪回後、
攻撃をやめて、交渉を求めたりせず、そのまま南部カンダハルまで進軍を
続けました。
当時ぼくはチェチェングルジアアブハジア侵攻作戦からパンキシへ
戻って、バクー日本大使館の助けでグルジアの抑留から解放されたところ
でした。
ぼくを迎えに来てくださった白石参事官に、ぼくは防弾車の中でお話し
しました。「北部同盟と米軍の攻撃が行きすぎたものにならず、交渉による
解決を求めなければ、戦争は泥沼になるだろうという」という見通しについて
です。
それが2001年でした。7年も経って、ようやくNATOの英軍最高司令官が同じ
結論に到達しようとしているようです。
指導者がタリバンだろうが、マスードだろうが、そして、相手が米欧軍だろう
が、ソ連軍だろうが、アフガニスタンの民衆の蜂起に対して、世界の誰で
あろうとそれを屈服させられるわけがないのです。