天才ナティアたん

ツィアラおばあちゃんの9歳の孫娘ナティアは、小学4年生なのに流暢な英語とロシア語を話します。今、本人にロシア語で訊ねたところ、こういう回答でした。
「一番できるのがグルジア語。それから、ロシア語、英語の順ね。学校では課ごとに3つの言語を同時にやってるのよ。でも、あたしは授業で教わる前から話せたよ。だって、この家にはいつも外国人の旅行者がいて、彼らと話していたからね。ロシア語はテレビ観てたら分かるようになったよ」
ソ連崩壊から17年も経ったイマドキのグルジアにはロシア語が全く分からない若者がいっぱいいますし、学習者が増えたとはいえ、英語も未だほとんど通用しません。それからすると、ナティアは天才かも知れません。その上、将来は間違いなくグルジア美女です。ぼくがはじめにこの民宿に転がり込んだとき、ナティアの2歳のバースデイ・パーティをやっていて、ご相伴にあずかったのをよく覚えています。赤ちゃんだったのになあ。
この民宿ではしばしば、お母さんのハトゥナがナティアにチィパッパと学校の勉強を教えています。かなり厳しいみたい。
この民宿ですが、当初、口コミで日本人旅行者の間でばかり知られていましたが、最新の豪ロンリープラネット社のガイドブックに紹介されたため、最近では欧州人旅行者の利用が絶えないみたいです。その代わり、日本人の姿は途絶えました。ぼくがはじめに来た頃、ツィアラおばあちゃんはまだ現役で鉄道駅の職員でした。観光インフラが不足していたこの街で、おばあちゃんが旅行者を自宅で引き受けたのが民宿の始まりだそうです。今ではおばあちゃんは引退して年金生活ですが、民宿繁盛のおかげで家計は楽みたいです。