お料理番組

アバカリキ事務所にいたときは、ナイジェリアにおける最高のご馳走は
インドミ(インスタント・ラーメン)だったのですが、自炊ができない
こちらでは、一番の食事は食パン、あとは蒸かしたヤムイモかな、という
自分の中でのランキングとなっております。
でも、親切なナイジェリアの皆さんは、わざわざぼくにだけ特別料理として
インドミを提供してくださいます。どろどろ、ぐっちゃぐちゃのゲル麺を、
吐き気と闘いながらいただいています。アムネスティの拷問禁止運動なんて、
ここでは効力がありません。
ところで、先日、F氏宅でテレビを観ていたら、お料理番組をやってました。
CM提供が「インドミ」になっていて、インドミを使った料理を紹介して
います。
関心を持ってみていましたら、画面に登場するインドミの麺はぜんぜん
ゲル状化していません。画面からもぷりぷりした麺の食感が分かります。
スープも捨てたりせず、水気たっぷりで、とても美味しそうです。
実はインドミの包装紙には料理法も図解してあるのですが、それを見ても
茹で時間は3分でいいし、スープを捨てたりするものでもありません。
つまり、インドミを歌舞伎町の飲み屋の裏のポリバケツ内の残飯状にして
いたのは、偏にサンデーやJやF氏の奥さまやベニンのO氏の奥さまだった
のです。
観ているとナイジェリア人は知らない土地を運転するときに地図も使い
ませんし、ガイドブックを渡しても無視します。自分たちが知っている
だけの知識でなんでも処理しようとし、新しいものを学ぼうとしません。
ラーメンもパスタも、どろどろのぐずぐずになるまで茹でて、その味を
当たり前だと思って育ったナイジェリアの子どもは、大人になっても
やり方を変えようとはしません。まあ、その果てに、21世紀の地球上に
この石器時代の国が残ってしまったわけでしょう。
テレビのインドミ料理を観ながら、心の中で「みんな観ろよ!これが
正しいやり方だよ!」と、叫んでいましたが、翌日、やっぱり30分かけて
茹で上げたどろどろの奇怪な物体をいただきました。