それでも戦争は続く

チェチェンの隣、イングーシ共和国で市民と治安部隊が衝突したそうです。
「ロシア:住民デモと治安部隊衝突 南部イングーシ共和国で」
http://mainichi.jp/select/world/news/20080130k0000m030032000c.html
チェチェン独立派政府は崩壊状態に陥り、チェチェン民族の組織的抵抗運動は
事実上終わりました。しかし、それでこの地域の戦争は終わったわけではなく、
むしろチェチェンだけでなく、カフカスの諸民族の間に拡散しています。
これまで「チェチェン独立」を目指していたチェチェンイスラム戦士たちは
今では「全カフカスの解放」に目的を変えて、この新カフカス戦争に参加して
います。
チェチェン戦争がチェチェンの国境を飛び越えて、カフカス大戦の様相を
呈していたのは最近のことではありません。しかし、プーチンの独裁体制が
いかに強固なものとなっても、それによってこの地域の紛争は少しも鎮まろう
としないどころか、むしろ拡大の一途を辿っています。
第二次チェチェン戦争勃発当初から、イングーシ共和国はロシア秘密警察の
活動のもっとも盛んなところといわれてきました。
毎日新聞の不屈の杉尾記者はロシアの政府系メディアが報じないこの
ニュースを伝えていますが、たぶん、それでも伝えられないままになった
重大なニュースが、この地域にはこの何倍もあるはずです。
私がイングーシで拘束されていた2週間ほどの間にも、ここでは報道されない
激戦が続いていたのですから。
ぼくがいくとたちまち面倒なことになって大変なんだけど、FSBにマーク
されていない日本人にとっては簡単にいって現場を見られるはず。
でも、ナイジェリアにしてもイマドキの若いフリーランスはこういう
ところには関心を持ってくれないのかなあ…