悪の国(その1)

サウジ国王、性的暴行の被害女性に恩赦与える(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-29403920071218

なにが恩赦だ。ゲロ吐きそう。この世にサウジアラビアなどという国が存在していい正統性なんか一分だってない。そこにシャリーアというものが一かけでも存在するなら、その被害者女性や集団強姦魔以前に、死を持って王室を罰するはずだ。ナイジェリアも本当にどうしようもない国だが、サウジアラビアほどではない。そもそも、なぜ聖地マッカ(メッカ)にスラムがあるのか?

聖モスクを見下ろす「タウヒードホテル」なんてものがあって、王族しか上位階に立ち入れないのか?

イスラム世界がここまでおぞましいソドムと化してしまった理由を考えていた。ムスリムはどこで過ちを犯したのだろう、と。たぶん、ムハンマドが死んで、後継者アリーが暗殺された直後には統一ウンマは事実上崩壊していたのだろう。
ムアーウィア以降の「カリフ」は正統でないし、世襲制にされてしまったのだからカリフ(後継者)でもないと、ぼくは思う。彼らはムハンマドの後継者ではなく、自分の父親の後継者なのだ。イスラムとも神ともなんの関係もない。しかし、ハサン中田先生に教えていただいたところによると、スンニー派はカリフの正当性条件が緩いのだそうだ。カリフ、マリク、スルタン、アミル、なんでもいいが、その社会のリーダーを選ぶのに正統四カリフ以後のムスリムはずっと厳正さを欠いてきたとぼくは思う。適任者がなければ集団指導体制を取るという選択をせず、しょうもない人間にすべての決済を委ねてしまった。イスラムそのものがシステムとしていくら民主的でも、ムスリムが独立した人間としての判断を放棄すれば、社会は暴君と愚民だけになる。
もし、ムスリムがリーダーに対して少しでも厳正であれば、この世にサウジアラビアのような国が出現するはずはないのだ。(その2へ)