北朝鮮を取材する人

どうしても北朝鮮の取材に手を出す気を失ってしまうのは、このテーマに関わる日本人がつまんない人ばっかりで、付き合っても楽しいことがないから。だいたいシーラカンスみたいなオールド右翼かオールド左翼ばっかりで、金太郎飴みたいに100年ぐらい同じことばかりいってて、話をしても得るものがなく面白くない。どいつもこいつも事実そのものじゃなく、自分の思想だけが大切らしく、事実は選別されて自説を裏付ける材料になるものだけが採用してもらえる。そんな思想ったって人間が人間だから、これまたどれもこれもよだれが匂ってきそうな幼稚なものばかり。みんなじいさんなのにね。
そんな中で、アジアプレスの元先輩・石丸次郎さんだけは数少ない例外です。世界のどこよりも事実の確認が困難な北朝鮮から、あらゆる手を尽くして一次情報をもぎ取ってきます。今日の産経新聞が石丸さんの仕事を紹介していて嬉しくなりました。
脱北者が取材した初の雑誌創刊 日本人ジャーナリストが記者養成」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071120-00000982-san-int
記事によると、石丸さんは5年がかりでこの雑誌プロジェクトを立ち上げたそうです。紛争地取材記者って、パッといってパッと帰ってくる人が圧倒的に多くて、現地の言葉一つ喋れず、現地の基礎知識もないまま思いこみでデタラメ言ったり書いたりするのばっかりなんだけど、石丸さんはハングルもぺらぺらで、このたった一つのテーマにずうっと関わり続けています。
ぼくには報道の世界に目標にする人がほとんどいないんだけど、石丸さんや旧U-Pressの若手たちは例外です。日本で報道をやろうという考えがそもそも間違っているんじゃないかと思ったりするんだけど、この人たちをみると考え直させられます。