テロ、テロ、テロ、テロ…

何度繰り返しいっても、日本のメディアのことだから無駄だと思うけど、
テロってなんのことだか、少しは自分のアタマで考えて書いて欲しいものだ。
18日の各社は、ロシア・イングーシ共和国で地元秘密警察のトップが殺害
された事件を、こぞって「イスラム武装勢力のテロ」と、ロシアのメディアを
そのまま翻訳して書いている。

殺害されたコストエフはロシアの傀儡と化したイングーシ治安機関のトップ
で、兵員輸送車で移動中に攻撃されており、絵面で考えても普通の戦争じゃ
ないのかな?
蜂起した市民が圧制者を倒してもテロなんだから、きっとテロは正義の行いだ。
よく分からんのは、例えば毎日新聞はイングーシの事件を「自爆テロ」と
書いていながら↓、
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20060518k0000e030020000c.html
アフガニスタンタリバンが自爆攻撃を行って100人以上が殺害された事件では↓、
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20060519k0000m030072000c.html
「自爆攻撃」になっている。
イングーシの記事も、見出しだけが「自爆テロ」であって、町田記者の本文
では「自爆」の文字すらない。(実は「自爆」といってるのはロシア紙
だが、現場では自爆者の遺体も見つかっていないらしく、
「遠隔操作の爆発物」という説も)
読売も「テロ」とされているのは、見出しだけだ。まあ、最低限の取材能力が
あれば、今のロシアで何が起こっているか、現地の特派員には分かるはずだ。
しかし、見出しをつける本社のスタッフには分からない。それならそれで、
用語に関するしっかりした社内規定をつくっときゃいいのにさ。
共同や朝日、時事、NHKは今さら論じても始まらない。あそこに報道関係者
なんていないのだ。いるのはモスクワで問題なく赴任期間を過ごして、
つつがなく出世したいだけの無能な会社員さん。ごくろうさんです。

イングーシはぼくがいった二年前でさえすでに全面戦争状態だった。
チェチェン戦争が拡大しているのだ。中心都市ナズラニの中心部にいたが、
夜になると毎日銃撃戦…一晩にロシア兵が55人殺害された、なんてニュースも
入ってきていた。それも、日本大使館からぼくのところに。

イラクイラク、キャー!」といってたアホの子たちは最近では
ホワイトバンドなんかつけてすっかり静かになったし、そろそろまともな人
たちがロシアとカフカスのヤバさを語り始めないものかな?