コンゴ 忘れ去られた戦争 2005

西武国分寺線鷹の台駅前の松明堂ギャラリーで開かれている
亀山 亮 写真展「コンゴ 忘れ去られた戦争 2005」にいってきた。
戦争写真家・亀山くんに逢うのは5〜6年振りだ。本人も仕事振り作品も、
少しも変わっていなかった。

実はぼくは一般に、報道写真家連中が大っ嫌いだ。
ずうずうしく、無神経で、嘘つきな上に、アタマ空っぽ。
相手がどんな思いでいようがお構いなく、「報道の使命でござい」
といって、レンズを向ける――雑誌で作品を見かける写真家って
そういうのばっかりだ。本当は作品にもそういう浅ましい品性が
ありありと浮き出ているのだけれど、世間の人はなぜかそういうのが
全然みえないらしい。
そうでなかった例外――写真もすばらしく、人間としても上等――
の一人が毎日新聞の五味カメラマンだったが、あまりにも運の悪い事故で、
現場を退いてしまわれた。

写真展なんて、行ってよかったためしがない。世界報道写真展
アホらしくておめでたすぎて、よっぽど笑いたくならなければ
二度といかない。
でも、亀山くんの写真ならみたいと思った。以前は義理で行きたくもない
写真展に行ったものだが、やがてそれすら嫌になっていたので、
誰かの写真を見に行くなんて、3年振りぐらいだろうか。

彼の写真には死体も戦車も大砲も、全然写っていない。
実際には死体を撮るのだって大変なのだが、彼はそれよりさらに
撮るのが大変なものをいつも撮ろうとする。
その点、五味さんと近いところがある。
五味さんはひたすらやさしく悲しいまなざしを被写体に向け続ける
人だったが、亀山くんはもう少し距離を引いて、悲劇の中にも美しさを
見出そうとしているように、ぼくには見える。

せっかくだからここに、会場の情報の入り口を書いておこう。
http://shomeido.jp/gallery/
この日記を読む人はすっかり減ってしまったが、一人でも行ってみようかと
思ってくれるかもしれない。
写真展は4月2日(日)まで、11:00〜19:00で、亀山くんは週末の午後は
会場にいる。展示されているのは去年末まで2ヶ月間に撮った作品だが、
会場では彼のこれまでの仕事を掲載した書籍も買える。自費出版のため
一般書店では買えないものがほとんどだ。
会場には滋賀県からの来訪者や大阪からの人もいた。
亀山くんはメジャーな報道写真家ではないと思うが、彼の写真を
見たい人は日本の端っこからだってやってくる。
だから引き篭もりのぼくも電車に乗って見に行ったんだけど。