ミツバチ村

パレスチナのミツバチ村(ナハリーン)というところで友人Wの自宅に泊めていただいた。ミツバチ村には4つのモスクがあって、友人の叔父はそこのイマームを勤めている。イマーム氏の要請で、私とスロバク人ムスリムのブラドはこのうち3つのモスクを回り、それぞれで演説をさせていただくことになった。もちろん、私もブラドもアラビア語が話せず、ロシア留学帰りの友人がロシア語からアラビア語に翻訳して会衆に聞かせるのだった。友人宅では親戚まで集まって、夜遅くまで食事をしながら話し込んだが、私たちの中に一人のロシア人もいなかったにもかかわらず、私たちはロシア語で語り合ったのだった。友人の細君はウズベク人とドイツ人のハーフで、留学中に知り合って結婚したのだそうだった。彼女の作るウズベク風ポロフは、ウズベキスタンではまず食べられないほど美味しかったが、私たちはついに細君をご紹介いただくことはなかった。この村では女性は客人の前に姿を見せない習慣なのだった。