超法規(その1)

昨日の夜、イスタンブルに到着しました。
グルジア秘密警察に拘束された上、実力行使で国外退去させられたのです。
今回も、これまでも、私はグルジアで法に触れることは一切していませんが、
あちらからは法的根拠も権利の説明も一切なく、ただ集団で拘束し、
丸一日尋問し、バスターミナルに連行し、私を国境から追い出しました。
バラ革命によって、グルジア民主化した」と、メディアは語ってきましたが、
実際には、少なくとも私が見た限り、そうではありませんでした。
グルジアで暗殺や謀略を司ってきた秘密警察「国家保安省」は解体され、
内務省編入された、と聞いていましたが、実際には真新しい金色の
「国家保安省」の表札を掲げたビルが今も建っており、そこには「内務省」と
名前だけ印刷された身分証明書を持った秘密警察の要員たちが勤務していました。
私は今回、トルコとの陸路国境を通った時点で補足されていました。
国境管理のコンピューターに私の個人情報が手配されていたのです。
入国二日目に、私は自分の立ち寄り先が張り込まれたり、
警察官が聞き込みをして私の行動を嗅ぎ回っていることを知りました。
この時点で、私はグルジアの「民主化」といわれる事実に
過度の期待を持ち過ぎていました。
民主化された警察組織は、違法行為をしてもいない外国人に、
超法規的に危害を加えることはないだろうと考えたのです。
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