懐かしきエゾ

トビリシに赴任している国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の日本人職員
ギャルギャル古川麗さんに夕食をご一緒していただき、感動!
グルジアは、私みたいな怠け者が毎日温泉に入って、おいしいものを食べて
遊んで暮らすには最高だけど、仕事をするには本当に大変なところだ。
「努力」という語彙を持たないグルジア人や「ジャイアン民族」のチェチェン人を
相手に、最悪の治安状況と停電ばかりのオフィスで日々奮闘しておられる
古川さんには、感心を通り越して同情を禁じ得ない。
現在グルジアの在留邦人はこの古川さんと、グルジアを愛するあまりグルジア
埋没してしまった「やぶ蚊」こと渡辺勇次郎さんと、その生後一ヶ月の二世
ショティコちゃんの3人しかいない。

夕方、古川さんとの待ち合わせ場所のレストランへ出かけようとしたら、
私が身を寄せている家主のツィアラおばあちゃんががっかりした顔で言った。
「あら!あなたが食べるかと思って、おいしいスープを作ったのに」
ツィアラ・シラゼおばあちゃんの家には、2000年以来、毎回世話になっている。
おばあちゃんは、私が一泊7ラリ(400円)の宿泊代しか払っていないというのに、
部屋にいるとやれ、トルココーヒーだ、やれ朝食だ、夕食だと、
手作りの飛び切りうまい食事でもてなしてくれる。
今回4年ぶりで顔を出したら、目に涙を浮かべて喜んでくれた。
おばあちゃんの孫娘ナーティアは、前回会ったときはまだ赤ん坊で、
確か二歳の誕生パーティに私は出席させてもらったのだった。
それが今では5歳になって、グルジア語はもちろん、誰も教えていないというのに
流暢なロシア語で、私にいろんなお話をする。
おばあちゃんの話では、ロシア語のテレビ番組を見ているうちに
覚えてしまったのだそうだ。
今朝、温泉に出かけるときは、「シャンプーは持った?なくなったら
買い足すのよ。財布やパスポートを盗られないように、注意しなさい」と、
お母さんみたいなことをいって、送り出してくれた。

さて、明日はそのトビリシを発つ。