犠牲祭

トルコでは今日がイスラムの暦で最大の祭り「イード・ル・アドハー」
(クルバン・バイラム)、その他のほとんどのイスラム国では
明日がそうだ。
代々木上原の東京ジャーミィはトルコ政府に運営されているので、
今朝、イードの礼拝を行った。
大塚モスクや麻布のマハドなど、国内の他のモスクでは明日執り行う。
私にとってはどっちでもいいのだけど、お祭りが二倍になるなら
みんな便利だろうということで、とりあえずグスルをして
朝8時に東京ジャーミィへ出かけた。
日本では今日は平日なのでそれほどの人出ではなかった。
イードというのは羊など犠牲獣を屠って隣人に施すのが義務なので、
東京ジャーミィでもおおらかだった昔は中庭で牛を殺してみんなで捌いたり
していたそうだけど、食肉衛生法に引っかかるというので、今はやらない。
私はとりあえず帰り道にハナマサでマトンを2キロと丸鶏を1羽買ってきて、
マトンはチェチェン・モンゴル風に大鍋で塩茹でにすることにした。
チキンは自分の昼飯にするとして、このマトンは東長崎や東中野
ビンボー人に手当たり次第食らわせるとしよう。
この日記を読んだ人でお腹がすいた人はあとで我が家にいらっしゃい。

東京ジャーミィにはアブドルカリム下山茂さんがみえた。
下山さんはウイグル人留学生支援などに奮闘されている。
礼拝のあと、駅前のカフェで3時間も話し込んだ。
新疆ウイグル自治区には私も96年と97年に訪問したことがある。
下山さんから最新の状況をお聞きした。
私が訪れた頃とは比べ物にならないほど、ひどいらしい。
中国政府による弾圧は凄まじく、殺害されている人数もイラク戦争
比ではない。
しかし、厳しい報道管制によって、なにしろ記者がいないから
まったく伝えられない。
チェチェンは世界から見捨てられてきたと、私はやたらと
繰り返しているけど、ウイグルに比べれば、チェチェンなんてまだまだ
話題になってる方だ。
平和団体や人権団体はイラクパレスチナの人権問題には声を上げるけど、
イラク戦争に反対した中国やロシアの問題に関しては
具体的な行動はもちろん、考えてみてもくれない。
やっぱり、イラクの取材にやり甲斐が感じられないのは、限られた
時間と労力をイラクに割いてしまうことで、それ以外の土地での、
より大きな犯罪に目を瞑ることに加担する性格があるからだ。