災難納め

午後5時過ぎ、東京ジャーミィから自宅へ向かう途中の山手通りで、
雪に前輪を取られ、ジェベル250SEで派手に転倒した。
こういうタイミングで間の悪いことに、私はグローブをどこかに
落としてなくしたばかりで、素手アスファルトを支える羽目になった。
右足がどうしても動かず、見るとバイクの車体に挟まれていた。
後続の車が迫っているのに、どうしても足を抜き取れないので、
身体のほうをよじって180度回転させると、なんとかバイクから脱出できた。
右膝を中心に、全身が痛い。
それでも、身体をきしませるようにしながら、バイクを引き起こす。
取り替えたばかりのバックミラーが歪んでしまったが、
エンジンはなんとか掛かった。
しかし、そこで深刻な事態に気づいた。
クラッチレバーが根元の蝶つがい部分から折れている。

およそ1キロ、バイクを押して歩道を歩いたところにバス停があったので、
そこにバイクを残して、バスを待った。
そこから京王線初台の地下鉄駅へ。
大江戸線東中野駅へ。
そして、大邸宅へ帰り着く。

バイク店が店を開けるのは新年の5日ぐらいだろうから、
それまでは修理もできない。
シェアメイトが帰省してしまって誰もいないところに、バイクを壊して
しまって、私は当分、どこにもいけないことになってしまった。
実にまた寂しい。

ここまでの大雪になるとは予想できなかった。

今日はずいぶん久しぶりに、東京ジャーミィへ金曜礼拝に行って、
顔馴染みのムスリムの兄弟たちに再会できて、すごく嬉しかったのになあ。
新しいイマームのホトゥバもよかった。
礼拝のあと、パキスタンの兄弟Yさんが食事に誘ってくださって、
夕方までいろいろと話をした。

ここのところ鬱々としていたのに、モスクで礼拝にリクゥした瞬間、
なんともいえぬ安心感が全身に広がるのを感じて、
「ああ、やっぱりムスリムたる私には最後に帰る場所があるのだ」
と、幸せを噛み締めていたところだった。