オクラマート・ラーゲリ(その2)

 ティムール、モフサルと昨日行ったカフェへ行って、クールィ・グリーリの夕食。なにかの役に立ったわけではないが、当然おごってやる。食後、外に出ると雨が降っていた。明日は晴れるといいなあ。耐雨装備を持っていない私にとって、雨に降られると取材は台無しなのだ。
午後8時になって、ティムールとモフサルは再びホテルの私の部屋まで押しかけて来て、タクシー代を貸してくれといってきた。400ルーブリ必要だといっている。当然、そんな高いわけはなく、よくあるタカリだ。が、500ルーブリ渡した。

 午前零時過ぎ、ワシーリーにSMSを送った。すると、間髪を置かず彼から長距離電話が掛かってきた。モスクワはあれから2回も雪が降り、今やマイナス5度だそうだ。プラス10度のイングーシと大違いだ。ストリームのADSLは間もなく開通予定だそうだ。
 私はワシーリーに、当局がテロリストの通信を遮断するためにインターネットをすべて閉鎖してしまったと話した。ワシーリーは私に、とにかく気をつけろと何度もいった。本当に優しいやつだ。泣きそうになった。

 去年11月頃のメールを見返してみたところ、ザラ・イマエワは私に、スレプツォーフスクで正式にチェチェンの取材許可を取り、そこから山岳地帯のムジャヘッドのところへ潜入を図るべきと私にアドバイスしていた。スレプツォーフスクへはやはり行った方がいい。国境で話を聞くだけでも価値がある。
 Sちゃんに手を貸してもらえれば、ザカエフともマスハドフとも連絡を取れるし、Gたちの手を借りれば、グルジアからの山越えも可能だ。ザラに頼めば、チェチェン内の、特にシャトイ周辺の人脈も紹介してもらえるかもしれない。